賢い修繕積立金の貯め方   修繕積立金の値上げを避ける四つの方策 

修繕積立金の改定すれども組合員の負担を軽くするには!

修繕積立金の値上げをする前にやるべきことが幾つもあります!

本来は管理組合とくに理事会で長期修繕計画の見直し、修繕積立金の額が適正であるかの検討を定期的にしなければならないのですが、多くの場合、管理会社より予定の行動として修繕積立金の値上げの提案があって、やっと管理組合に修繕積立金についての認識がはじまります。

 管理会社から修繕積立金の値上げの提案があった場合、(分譲会社や管理会社の作った)長期修繕計画を根拠に値上げを提案してくるので仕方がないものと受け入れがちですが、値上げに応ずる前にやるべきことがあります。

 

 

管理会社の提案を鵜呑みにしない!

  値上げの根拠としている長期修繕計画はキチンと作られているか

 管理会社の長期修繕計画が、国土交通省の「長期修繕計画標準様式・作成ガイドライン」に基づいて作成されたものであれば、問題はありませんが、分譲会社や管理会社主導で作られた長期修繕計画には、建物の事態を踏まえて作成されていないばかりか、分譲会社の販売政策を色濃く反映されているものや、将来の大規模修繕工事の受注を視野に入れて、工事金額が高めに設定されているケース等意図的に作成していることがあるといわれております。反対に、売り易さのみ狙って、工事金額を圧縮して修繕積立金を極端に安く設定しいる酷いケースなども見うけらています。皆様のそれぞれのマンションの実態を反映し適切な修繕周期が設定された長期修繕計画であるかどうか、出来れば、他の専門家にチェックを受けることをお勧めします。


【修繕積立金が不足していることが判明した場合の修繕積立対策】

 長期修繕計画・修繕積立金の見直しなどで修繕積立金の不足が判明した場合、早急に対策を立てなければなりません。大幅な値上げには、なかなか合意が得られず、トラブルになりかねません。積立対策としては、

修繕積立金の現状を管理組合として先ず組合員全員に認識させることが重要。

不足分を全額値上げする事態は極力さけ、不足分を充当出来得る手段がないかの検討から始める

常套手段の管理費会計会計を見直して余剰金を積立金会計に充当する。必ず先ず、やるべき対策

やるべき対策をやっても、なお不足する場合は無理が生じない計画的な引き上げを提案する

 

 

管理費を賢く削減して、その削減分を修繕積立金に充当することで値上の回避が可能!

 

 修繕積立金が不足していることが判明しても直ちに修繕積立金の値上げではなく、先ず管理費の見直しをするべきです。「日本のほとんどのマンションは管理費を払いすぎ、一方で修繕積立金が足らない」という実態があります。多くのマンションで管理費の大幅な削減の可能性があります。それは

管理費は分譲時には決まっており、高止まりのまま続いたまま!

 管理費の支出で大きなウエイトを占めるのが、管理会社に支払う管理委託費で約7割前後の多額な金額が管理会社に支払われています。とくに分譲会社の子会社や系列の管理会社は、1社指名の独占状態で、競争原理が全く働かない「言い値」でしかも売買契約前、当然管理組合が機能する前から管理費が既にきまっていますので、割高でしかも必要のない数々のサービスのど無駄な費用がかなり設定されています

本来は委託管理費ですので依頼する側と依頼される側との交渉の妥結で決まるべきものですが、分譲契約時の沢山の契約書類に紛れ込んで理解のないまま同意の押印させられているです。そして入居が始まって、形の上では、毎年管理委託契約が更新されていますが、一般的に、管理組合は管理会社に任せきりの状態ですので管理費は高止まりままで、「云わなければ高いまま」が平然と行われています。

 

一度も管理費の見直しをしていなければ、かなりの削減が可能!

「日本の中古マンションはの大半で、最低でも20〜25%以上」(暮らしの知恵袋オフィシャルBLG)、普通の交渉でも30〜35%以上の削減は可能と言われております。事実、管理費削減に取り組んだ多くのマンションで大幅な削減に成功しています。もし、1度も管理費の見直しされていないならば、管理費の見直しで修繕積立金の不足を十分カバーすることができ組合員に負担を求める必要がなくなります。管理費の削減を求めるのは管理組合の権利であり、役員さんの義務でもあります。(管理費削減の方法はについては別項をご覧ください)

 

 

エレベーターのメンテナンス料(保守・管理料)を賢く削減して修繕積立金会計に充当!

 

管理費の中で大きな額でひときわ目立つのがエレベーターのメンテナンス料です。実は、この大きな金額負担が、管理組合の考え次第で大きく解消し、修繕積立金会計充足に手間いらずで大きな救世主になりす。ぜひ、検討してみてください。見直しのポイントは、

管理会社経由の間接契約から業者との直接契約にする

業者とメンテナンス料削減の交渉をする。不調なら、

メンテナンス契約をメーカー系業者から独立系業者にかえる

状況によりフルメンテナンス契約からPOG契約にかえる

の4つです。エレベーターのメンテナンスにいつては、ここでは修繕積立金の積立対策のコーナーですので詳し詳しい節目は省きますが、経費削減の手段としては、簡便でしかも、効果的な方法です。

エレベターのメンテナンス契約は、管理組合との直接契約にする!

 エレベーターのメンテナンスについては、ほとんどのマンションでは管理会社に委託していまが、実のところ、管理会社はほとんど何もせず、保守・管理業者にまる投げ状態で何にもしていません。フロントマン・管理員は、エレベーターの知識はありませんのでほとんど知識はなく、立会い業務など無理な話です。

 管理組合の直接契約にしてもほとんど役員さんの負担もかかりませんので是非検討してみてください。とくに後ほどの多額の出費になるエレベーター取替えに関して管理会社へのマージンがなくなりますので2割ほど安くなりますのでかなりの経費削減になります。メンテナンスの費用の削減に関しては、現在では、遠隔監視による点検保守も可能なりましたので、エレベーターの点検・保守の回数を減らすなどの交渉でメンテナンス費用削減ができます。

しかし、このメーカー系業界の体質的欠点ですが、管理組合より管理会社の利益を優先しますので、思うような結果がでないこともありますが、そんな時には次の手段に即移ります。最良の方法です。

 

メンテナンス業者をメーカー系業者から独立系に業者に切り替える!

 ほとんどのマンションでは、エレベターのメンテナンス(保守・点検)の業者は、設置したエレベーターメーカーの会社か関連会社(子会社、下請け)になっております。現在、メンテナンス業者がこのメーカー系の会社であれば、保守管理費は大幅にカットすることができます。業者の寡占状態での優位な契約のまま(高い料金)になっているからです。

 現在では、エレベーターの保守・点検をしている業者はには、「メーカー系」(若しくはメーカー関連)業者の他に「独立系」といわれるエレベターの保守・点検を専門に行っている業者があります。

 数年前までは、エレベーターの保守点検はメーカ系業者がほぼ独占の状態でした。このメンテナンス会社の技術者達が独立して開業するケースが出現して、メーカー系の業者の高値・高収益の維持が危うくなってきました。その対策にメーカーが、独立系業者には純製部品の供給を制限する等の妨害行為をしてきました。しかし、そのような不当行為は長続きはせずせず、公正取引委員会が調査に乗り出し、その結果、メーカーに厳しい警告が出され、またメーカ―の不当行為の排除を訴えた独立系業者の裁判の全面勝訴を受け、一気に独立系保守業者の参入が相次ぎ、必然的に競争原理が働き、同レベルのサービスの質で、日本の高すぎるエレベーターの保守管理費の大幅な削減が可能になってきました。

 

 そんな状況になり、現在では、保守管理費の値下がりが進んで、独立系業者に切り替えることによって、現在と同じ保守・管理の内容で、普通でもメーカー系よりも35から50%近くの保守管理料の値下げが実現しています。その大きな理由は、いままで寡占状態にあった国内メーカー系業者の保守・管理料金が不当に高すぎたに他なりません。その背景は、いろいろありますが、本質的にはエレベーター業界は典型的な『メンテナンスで稼ぐ』仕組みになっているからです。それは、

(1)エレベーターの受注競争(ゼネコン主導)が激烈で、採算を度がえししてでも請負い、高収益のメンテナンス業務につながる命題(出血を何十年と続く高収益のメンテナンスで回収できる)があること

(2)ほとんどの管理組合のエレベーター保守・管理契約は、分譲時から変わることがない

ということが背景にある。一般的にほとんどの管理組合がエレベーターのメンテナンスは分譲時と同じ業者で同じ内容・同じ料金の契約のままで委託されています。

 

ンションの住人には、根強い「ブランド志向」「一流メーカー志向」が多い!

 管理組合員の中には「エレベーターの保守・管理は命に関わるから高くてもメーカー系がいい」という意見がだされ、管理費のコストダウンに熱心な組合役員さんは引けてしまうかもしれませんが、一般的に独立系業者とメーカー系業者は技術的にも保守管理サービスの内容や質は差はなく、独立系業者は、メーカー系のように背中にブランドがありませんので、抜けがなく高い品質の保守管理サービスの提供でなければ業者として存続ができませんので必死です

最近では一流メーカ―系業者に引けを取らないエレベーターメンテナンス受託軒数が数千台からい1万台を超す独立メーカーもあり、独立系業者もかなりの客に指示が得られている証だと思われます。

 マンションの居住者にはブランド志向・メーカ―系志向の方が多いといわれていますが、内容・品質が同じであるものを、コストで選ぶか、社名で選ぶかは顧客様の自由でありますが、マンションの積立金の不足を値上げなしに補う貴重な手段であり、修繕積立金会計が危ういが、値上げもできないというマンションがこれを使わない手はないことを強調しておきます。

 

エレベーターの保守契約 フルメンテナンス契約からPOG契約への変更する!

エレベーターの保守・点検契約にはフルメンテナンス契約POG契約の2つの契約方式があります。

フルメンテナンス契約というのは各機器の部品取替え、修理を状況に合わせて行うことを内容とした契約で、大きな修理も含んでいる(契約料金内)ので、月々の保守契約料金がかなり割高になりますが、一時的な高額出費を要しない契約です。

POG契約は消耗品付き契約のことで、定期点検、管理仕様範囲内の消耗品の交換は含まれますが、、それ以外の部品取替え、修理は別途料金となる方式のため、フルメンテナンス契約よりかなり割安料金になります。実際に受けるフルメンテナンス契約のサービスの実績とPOG契約のサービスの実績の差がほとんどない現実を考えますと、フルメンテナンス契約は、何かあった時の安心感(保険のような)はありますが、

マンションのエレベーターの利用率は商用エレベーターにくらべ著しく少なく10年から15年くらいまでは故障もほとんどなく部品交換も少ないこと、

別個のエレベーターの長期修繕計画に基づきエレベーターの修繕積立金を確保しておくこと、

マンション保険で設備機器故障対応でエレベーターの故障の保障をする保険もありますのでその利用で万が一の大きな修理に対応する等など、

賢くPOG契約を利用するとかなりのムダが節約できて大きな管理費削減になり修繕積立金会計に補填することができます。少なくとも故障のほとんどない最初の10年間まではPOG契約で十分で、この10年間だけでもフルメンテナンス契約の差額の累計がいかに大きいか理解していただけることと思います。

但し高経年のエレベーターでは、フルメンテからPOG契約に切り替えることにより、保守点検費用は下がりますが、逆に補修費用がより多くかかることがあり、トータルでは高額になる恐れもありますので、注意が必要です。

 

管理会計の収入として扱われている駐車場料金などの使用料は修繕積立会計に回す

 

  既に標準管理規約で「駐車場使用料その他の敷地及び共用部分にかかわる使用料は、それらの管理に要する費用に充てるほか、修繕積立金として積み立てる」とリコメントしているにもかかわらず、管理費会計の収入にされているマンションがあります。

 駐車場使用料を管理会計の収入にしていることを管理組合が認識していれば問題はありませんが、分譲時の販売政策「売り易さのために管理費を安く見せる」ためだったり、「管理会社の利益確保」のためにだったりすることが業者の常套手段となっていることが多いのです。

 駐車場収入は先ずこの駐車場の維持管理のためのものです。特に金食い虫で悪名高い機械式駐車場の場合高額な維持管理費がかかります。これを管理費収入で使ってしまったらどうなるでしょうか?。ダダでさえ不足している修繕積立金でまかなうことができるのでしょうか?。もし管理費会計の収入にしなければ管理会計が赤字になるようであるならば最初の設定に問題があります。駐車場使用料を管理収入にしますと駐車場を使用しない組合員に不公平感があります。駐車場使用料を管理費収入にしているマンションは、先ずこの点を確認してください。おそらく管理会社の利益になっていることが多いと思われます。

 駐車場収入は管理費会計の収入とするのは本来望ましくありませんのでぜひ見直しをお勧めします。修繕積立金が不足しているマンションでは、管理費の見直し時に、駐車場などの使用料を修繕積立会計にに振り替えることによって、修繕積立会計が改善され値上げを回避することができます。

 

修繕積立金を柔軟に引き上げる方策を!

 

 最後の対策になりますが、管理費の見直し、無駄の削減、節約などを十分検討しても予定の適正な修繕積立金の金額が不足しているならば、最後の手段「毎月徴収する修繕積立金を引き上げ」をすることになります。概して値上げには組合員の反発を受けることになりますので、組合員の合意を得やすいように、値上げの必要性を伝えるためにも、理事会の取り組みを等を広報しながら組合員の意見も取り入れる形で進めることが必要です。長期修繕計画をを見直しのタイミングを調整し3〜5年ぐらいに一度の間隔で定期的に毎月の積立額を徐々に引き上げるなど負担感を和らげるなど穏やかな方策を検討します。

 

尚、年間削減額の〇年分とか、削減額の〇%を成功報酬として提案している管理費の削減を目的とした専門家もいますが、これは削減により管理組合が修繕積立金として本来残る資産から支払うこことになりますので、管理組合のためになりません。管理費の見直しで専門家に依頼する場合は成功報酬型でではなく、適正な料金を提示している専門家(マンション管理士等)を選ぶことが必要です。

 


*修繕積立金の適正な額の設定や管理会社の見直しなど詳しくは、『NPO法人マンションサポートあいち』(MSA)にご相談ください。

 

         

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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